ウクレレとよなおしギター 1

sinya

2015年07月15日 23:44

以前、無料体験会にいらっしゃった方から「ウクレレと(よなおしギター)、どちらが簡単ですか?」という質問を頂いたことがあります。

もし、「何か弦楽器をやりたい!」と思った時に、ギターはかなり上位の候補として上がるでしょう。
ただ、一般的なギターは、このブログでも書いてきたように、習得が難しい楽器です。始めてはみたものの途中で挫折してしまった方、やる前から諦めてしまう方も少なくないでしょう。

そういった方達にとって『ギターより気軽に簡単に始められる弦楽器』として、ウクレレはかなり人気の高い楽器だと思います。

逆に言うと。これまでギターのような弦楽器で、より『気軽に簡単に弾ける楽器』は、ウクレレ以外には無かったということが言えるのかもしれません。

体験会で頂いたご質問に対して、その時には十分に2つの楽器の違いをご説明できなかったので。質問された方の意図、つまり『ギターより気軽に簡単に始められる弦楽器』という観点から、今回は、ウクレレとよなおしギターの違いについて書いてみようと思います。


ウクレレは、ハワイ育ちの楽器で、ハワイの民族楽器ということが言えると思います。

その主な特徴は、何と言っても『大きさ』と『音色』でしょう。

ウクレレは、その大きさなどの違いから、『ソプラノ』『コンサート』『テナー』『バリトン』の4種類に分けられるようです。
一般的に日本人がウクレレを始める場合、『ソプラノ』を購入することが多いそうなので、今回の記事でも『ソプラノ』のウクレレを基準によなおしギターとの比較をしてみたいと思います。

YAMAHAから販売されているウクレレの仕様を調べてみますと、楽器の弾き心地の目安となる値は以下のようになっています

弦長 <344.5mm>  指板幅 <36mm>

この値は、よなおしギターの値と比べても、かなり小さいサイズになり。大きさ重さで考えた時、ウクレレの方が圧倒的に文字通り手軽です。

次に、『音色』ですが。ウクレレの名前の由来が、ハワイ語の『飛び跳ねるノミ』からきていることは有名ですよね。
まさに、ノミが跳ねるかのように、可愛いコロコロとした楽しくなるような音色が特徴です。(ノミは可愛くないですが・・・)

この独特の音色が出る理由の1つが、チューニング方法です。

一般的なギターは、6弦(抱えた時に一番上になる弦)が一番低い音になります。その他の弦は、5、4,3,2,1弦の順に音が高くなっていきます。

つまり、上から下に弦を弾くと、自然と『低い音~高い音』のコード(和音)を鳴らすことが出来ます。
※コードの押さえ方によってはそうならない場合もあります。

一方、ウクレレには4本の弦が張ってありますが。ギターのように、抱えた時に一番上になる弦が一番低い音にはなりません。ウクレレの一般的なチューニングでは、一番上になる弦は全部の弦の中で『2番目に高い音』になり、一番低い音は、上から2番目の弦になるんです。

この独特のチューニングにより、4本の弦を上から下にジャラ~ンと弾いた時、『高い音から始まって(途中に低い音が入り)高い音で終わる』というコードが鳴ります。
これは、非常に面白いですね。一般的なギターではあまり馴染のないコードの響きです。

この、『高い音~高い音』に抜ける感じが、コロコロとした可愛い音色に一役買っているのは間違いないでしょう。

この独特のチューニング方法がウクレレの最大の特徴の1つであると言えますが。ただ、このチューニングは、あることを犠牲にしてしまっているように思います。

それは、『音域』と『メロディ演奏』です。

12フレットまでを演奏可能な範囲と考えると、ウクレレの『音域』は、2オクターブに達しません。
つまり、鳴らすことの出来る一番低い音が<ド>の場合、次に高い<ド>は鳴らせますが、さらにもう1つ上の<ド>までは鳴らすことが出来ない、ということなんです。

弦が4本しかない上、ギターでは一番低い音が出る弦の場所に『高い音の出る弦』を張っているので仕方のないことではあります。
弦1本分、低い音を犠牲にしていることになりますからね。

そして、『音域』が狭ければ、当然鳴らすことの出来る音が少ないわけですから、『メロディ演奏』にも制限が出てきてしまうのは予想できると思います。が、さらに、私のようにギターしか弾けない人間からしますと、『弦が音の低い順に並んでいない』というチューニング方法は、多分、メロディを弾く時に多少の混乱が生じるだろうな、と想像してしまうわけです。

※ウクレレのチューニング方法として、ギターと同じように『抱えた時に一番上になる弦が一番低い音になる』方法がありますが、ここではウクレレの一般的なチューニングでの比較をさせて頂きます。

こう考えると、ウクレレという楽器は『伴奏楽器である』ということが言えるかもしれません。

これほどウクレレが世間に広く認知され、たくさんの方が楽しんでいるということは、この独特なチューニング方法による『音域が狭い』あるいは『メロディが弾き難い』という特徴が、欠点にはなっていないのだと思います。

つまり、ウクレレはジャラ~ンとコードを弾いた時のあのノミが跳ねるような独特な響きを出すために進化した楽器であり、『伴奏をすることがその第一の目的である』ということが言えるのかもしれません。

もちろん上級者になると、ソロギター的に、コードを響かせながらメロディを弾く演奏方法で、素晴らしいパフォーマンスをすることも可能になりますが。
この記事での前提が、『ギターより気軽に簡単に始められる弦楽器』としての比較ですので。その場合、やはりウクレレを手にする目的は、コード(和音)をジャラ~ンと鳴らして弾く『伴奏』ということになるでしょう。

と、ここまで偉そうに講釈を垂れていますが。実は私、ウクレレを持っていない上、ほとんど弾いたこともないんです。

ですから、今回の記事で認識が間違っていることがあるかもしれません。ごめんなさい(先に謝ります)。

それでも、ある程度はウクレレのことを勉強する為に、いろいろ調べてみたんです。で、その中で分かったことは、「本当にウクレレは人気のある楽器なんだ」ということ。
初心者の方を対象にしたレッスン用に動画をアップされている方もたくさんいて、それら動画の閲覧数を見ると、どれも人気が高いのが分かるんです。

そんな動画の中から、ちょうど前回よなおしギターで演奏した『パッヘルベルのカノン』のコード進行をウクレレで分かりやすく弾いている動画があったので、参考にさせて頂きました。

『パッヘルベルのカノン』のコード進行は、俗に『カノン進行』と言われ、非常に有名です。

この、シンプルながら情緒的な進行は、日本人にも馴染が深く、さまざまなJ-POPの名曲がこの進行を元に作られたと言われています。

基本的な『カノン進行』は以下のようになります。

| C | G | Am | Em | F | C | F | G |

使うコードは <C><G><Am><Em><F> の5つです。

このコード進行を覚えて弾けるようになれば、様々な名曲の(1部分)が弾けるようになります。
また、使われている5つのコードは、非常に基本的なコードの集団です。ギターでも『最初に覚えるべき5つのコード』であると言えます。
この5つのコードを覚えれば、かなりたくさんの曲が弾けるでしょう。逆に言えば、この5つのコードだけで作曲をすることも出来るわけです。

私が参考にさせて頂いたウクレレの演奏動画をアップされた方(ukulelelikeさん)も、もちろん、そういったことを見越してこの動画を撮影されていると思います。

その動画を記事に貼らせて頂きます。




この動画を見ると、確かに、ギターよりもかなり簡単にコードを押さえることが出来るんだなと感じます。

そしてなにより、この可愛い音!

これなら『ギターより気軽に簡単に始められる弦楽器』としてウクレレが人気が高いのも頷けます。

さて。では次に、よなおしギターで同じように『カノン進行』を弾いてみたいと思います。が、また長くなりそうなので、次回に致します。



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